住宅基礎仕上げとは
about基礎長寿命化の重要性
住宅基礎は、家が建った後からは容易に補修ができません。
そのため家を建てる時から、基礎の耐久性を高くする適切な工法を選択することで、
子や孫世代に受け継ぐことができる住まいづくりができます。
幸せな住環境づくりのために、住宅の足元である基礎コンクリートを長く強く守る必要性について考えてみませんか。
目次
住宅基礎の役割と耐久性
住宅基礎とは、地盤(地面)と建物の間にあり、建物を支えるコンクリート部分のことです。
住宅基礎コンクリートは主に上下からの圧縮に強いコンクリートと、左右からの引っ張りに強い鉄筋からできており、それぞれの強みが組み合わさることで、地震にも耐えうる強度を発揮します。
ただし、そのような高強度の基礎コンクリートにも弱点があります。それは、コンクリートが乾燥して収縮することで発生するひび割れと、大気中の二酸化炭素に触れることで起きるコンクリートの中性化です。最終的に中心部の鉄筋の腐食を引き起こすと、鉄筋はさびて膨張します。するとコンクリートの剥離が起こり、住宅基礎の寿命は終わってしまいます。
安心して長く住むためには、基礎コンクリート表面の保護が必要です。
しかし従来の工法である、刷毛引き仕上げでは、耐汚染性および中性化抑制の効果が低いという問題点があります。
そこで効果的な方法は、”ポリマーセメントモルタル×アクリルシリコン塗料の仕上げ材により基礎コンクリート表面を保護する対策”です。
ポリマーセメントモルタルは、通常のセメントにポリマー(樹脂)を配合したもので、これを用いることでコンクリートのひび割れや中性化の抑制などの効果が期待できます。
アクリルシリコン塗料は、アクリルがベースでその中にシリコンが入った塗料です。汚れに強い特性があり、外壁塗装の定番として多くの住宅に使用されています。
つまりこの2つを用いてコンクリート表面に仕上げを行えば、雨水などの吸い上げやひび割れを防ぎ、中性化を抑制することで住宅基礎のコンクリートの寿命を延ばすことができます。
仕上げ材で基礎を保護するメリット
01 経年劣化への耐久性アップ、美観性アップ
刷毛引き仕上げでは経年劣化が起こりやすく、中性化を抑制することができません。
コンクリート表面に白い粉が現れたり(白華現象)、雨が降る度にコンクリートが水を吸い上げ、美観性を損ないます。
そこで、ポリマーセメントモルタル×アクリルシリコン塗料の仕上げ材で基礎コンクリートの表面を保護することで、経年劣化と中性化の進行を遅らせ、美観性の維持が可能になります。
従来の刷毛引き仕上げ工法
・地面からの吸い上げによるシミ
・モルタルの白華現象
・泥汚れ
仕上げ材により表面を保護する保護する工法
02 コンクリート強度と耐久性が上がる
基礎コンクリート表面に弾性のポリマーセメントモルタルで保護することで、空気中の二酸化炭素に触れるリスクを軽減できます。その結果コンクリートの中性化を抑制し、ヘアークラックも抑制することができます。
紫外線による劣化を防ぐためには、アクリルシリコン塗料による保護が必要です。
03 環境問題を考えた地球にやさしい家づくりの実現
一度建てた住宅も、いつかは解体して建て替える時が来ます。
重機での解体、解体した廃材を運ぶための輸送、廃材処分などの温室効果ガスの排出が環境に負荷を与えます。
一般的に、一棟の木造住宅全体の重さは40坪で約70トン、そのうち住宅基礎コンクリートは約30トンあります。
住宅基礎の寿命を倍に延ばすと、解体時の環境負荷を半減させることができます。住宅建設時に住宅基礎をしっかり保護すれば、基礎だけを残し、次に建てる住宅に引き継ぐことも可能です。
基礎コンクリートの中性化を防ぐことによる環境への影響
〈内側基礎に塗布〉
・中性化抑制
・基礎の初期強度向上
・ヘアークラックの抑制
〈基礎外側に塗布〉
・中性化抑制
・ヘアークラックの保護
・美観性向上
〈住宅の高耐久化〉
・基礎の長寿命化
・基礎を残し建て替え
〈地球へのメリット〉
CO₂排出量 約7.5トン削減!
産業廃棄物量約50t削減!
(住宅1棟あたり)
長寿命な基礎コンクリートをつくることは、スクラップ&ビルド社会からストック型社会への転換を推進する国の方針にも適しています。
基礎を長寿命化するメリット
住宅に対する不安の要素は、地震豪雨による土砂災害および浸水などの被害です。
もしこうした被害が住宅に起きても、住宅基礎を保護しておくことで、基礎をそのまま活かすことができる場合があります。
さらに時代が変われば家族の形態は変化します。
基礎を残し建て替えることで、子や孫世代の負担を減らすことにつながります。
中性化したコンクリートを元に戻す方法は、作業面、費用面から現実的ではありません。 新築時に住宅基礎表面をポリマーセメントモルタルで保護しておけば、わずかな費用負担でコンクリートの長寿命化を実現できます。