住宅基礎仕上げとは

about

環境対策の必要性

地球温暖化を防ぐために、2050年までのカーボンニュートラル(脱炭素)社会の実現が、

企業にも、そして私たち一人ひとりにも求められています。

住宅基礎を長持ちさせることは、二酸化炭素の排出量削減につながります。

その仕組みを、わかりやすく解説します。

目次

住宅基礎と環境のかかわり

住宅基礎に使用されるコンクリートは、主成分であるセメントに砂・砂利・水を加えて混ぜ合わせて作られます。

実はセメントを1トン製造すると、二酸化炭素が約0.8トン排出されます。住宅1棟あたりに使用される生コンクリートは約17㎥、セメントは約5トンにも及びます。

つまり家を一軒建てるためには、単純計算で約3.8トンもの二酸化炭素が排出されることになります。

住宅基礎の寿命を伸ばせば、それだけ新たなコンクリートの使用が抑制でき、二酸化炭素排出量の削減に大きく貢献できます。

住宅建設時に使用するコンクリート

約17㎥

原料となるセメント

約5トン

※コンクリート1㎥あたり300㎏

セメント製造時のCO₂排出

約3.8トン

※セメント1トンあたり757㎏

年間新築着工によるCO₂排出量

約190万トン

※年間戸数約40万としたとき

基礎の寿命を30年から100年に延ばすことで、将来的にCO₂の排出量を1/3に抑えることが可能!

国や団体が勧める住宅(建築)について

2009年に「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が施行され、将来に渡り長く住み続けられるように措置が講じられている住宅は、国から長期優良住宅として認定されるようになりました。

長期優良住宅の認定制度が設けられた背景には、できる限り住宅を長く使用することで、住宅解体による産業廃棄物の排出を抑制し、環境への負担を低減することを目指す国の姿勢があります。

長期優良住宅に認定されるためには、大きく分けて8つの認定基準がありますが、その中のひとつに「劣化対策」があります。住宅の劣化を防ぐことで、数世代にわたって居住できる措置が施すことが求められるようになったわけです。

長期優良住宅

・品確法の劣化等級3を満足
 [構造躯体の使用継続期間が少なくとも100年程度となる措置]
・水セメント比の低減
・かぶり厚さの割増
・30年以上にわたる点検・調査・修繕・改良といった保全計画が定められている

オランダ人の建築家のハブラーケン氏は、「スケルトン・インフィルの概念」を提唱しています。

これは建物を構造体(スケルトン)と内装・設備(インフィル)に分けて設計する考え方です。

  • 建物を支える構造躯体
  • 補修・補強に技術的困難を伴う
  • 補修・補強に費用が掛かる
  • 住宅の間取り・内装
  • 定期的な保全を容易に行うことができる
  • 保全にかかる費用を抑えられる

住宅基礎部は構造体にあたり、実際に家が建った後に手を加えるのは容易ではありません。

そこで建設時に長持ちさせる工夫を行うことで、「安心して長く住める住宅」「地球のために環境問題を考慮した住宅」が実現します。

環境問題が叫ばれる現在、住宅を長持ちさせるためには、住宅基礎仕上げは、もはや欠くことのできない工程ともいえます。

基礎の耐久性向上による地球へのメリット

基礎コンクリートの中性化を防ぐことによる環境への影響

〈内側基礎に塗布〉
・中性化抑制
・基礎の初期強度向上
・ヘアークラックの抑制

〈基礎外側に塗布〉
・中性化抑制
・ヘアークラックの保護
・美観性向上

住宅の高耐久化〉
・基礎の長寿命化
・基礎を残し建て替え

〈地球へのメリット〉
CO₂排出量 約7.5トン削減!
産業廃棄物量 約50トン削減!
(住宅1棟あたり)

※上記の値は、建坪30坪のベタ基礎を想定し計算しております ※住戸・地域・業者によって異なる場合がございます。

スクラップ&ビルド型社会からストック活用型社会への転換は、もはや世界的な流れです。

環境優先型の社会の実現のためには、私たちが日々の生活の中で小さな工夫を積み重ねていくことが大切です。

住宅基礎仕上げを行い基礎の寿命を延ばすことは、子どもたちの明るい未来を守ることにつながっているのです。